2006年 10月 05日

妄想①

mixiの [妄想癖ありますけど、なにか?] トピックにて見つけたお題。
続きを書いてみた。

* * *

2006年08月08日22:08
*あなたならこの後どうする?パート2*
☆ゅか☆

パート1好評のためパート2作っちゃいました!
あなたは今から飛行機にのり愛する人のところにいきます。
空はこれほどのない青空。
たくさんのお土産と愛する人に会える喜びを持って乗った飛行機は
離陸してから30分後墜落してしまう。
原因はパイロットの心臓発作。
すごい揺れの中あなたならどぅする?

追伸
*神様!これは冗談の話です。本当にこのような事がないようにお願いします!*

* * *

本当は、ずっと好きだったの。

この言葉を伝えるために飛行機に乗った。
この言葉を伝えるために、あなたに会いに行く。

飛行機は揺れている。
アテンダントの声と、乗客の悲鳴が混じる。
テーブルの上にあったオレンジジュースが少し零れた。

不思議と恐怖は感じなかった。
やっぱりエコノミークラスは狭いな。
シートの中で心地良いポジションを探りながら思う。
たぶん、こんなことを考えているのは私くらいのものだろう。

窓の外を見ようと、ブラインドを全開にする。
たいてい通路側の席なのに、今回ばかりは窓際、翼にも邪魔されないいい席だった。
混沌とした機内と、静止画のような青空。
せっかくのいい席なのに、皮肉なものね。
こっそり苦笑しながら雲の絨毯を見遣る。

幼かった頃を思い出した。
小学生の頃の私とあの人。

「雲の上って気持ち良さそう」
「バーカ、雲の上に乗ることなんてできないんだよ」
「そんなことないもん、あんなにふわふわしてるのに」
「あれは水蒸気、湯気と同じだから無理だって」

私よりほんの少し年上のあの人と、よくこうやって言い合いをした。
小学生らしい、幼稚な会話。
雲の上に乗ることができると本気で信じていた私。

雲の絨毯はまだ続いている。
もし、ここで飛行機が爆発して。
もし、ここで私が外に飛び出したら。
そしたら、雲の上に乗れるかもしれない。
そしたら、あの人に自慢するのに。
「雲に乗れたよ。ふわふわしてて気持ちよかったよ」って。

あの人はなんと言うだろうか。
「そんなわけないだろ」
そう言ってコツンと頭をこづくんだろうか。
昔みたいに。

飛行機の高度が下がり始めた。
雲の中に機体がもぐる。
絨毯が、見えなくなった。

そっとブラインドを閉じる。
同時に瞳も閉じる。
瞼の内側にあの人を描いて、
「ずっと好きだったの」
呟いた言葉は機内の喧騒に溶け込んでいった。
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by sexual-apple | 2006-10-05 02:36 | 呟いてみる


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