2013年 03月 24日

翻訳に挑戦してみる話

とある俳優さんにハマり、過去出演作を漁っていたときに出会ったラジオドラマ、過去放送分がCDで
発売されていたので購入し、連日通勤時に聞きまくっている。

イギリス英語で、シチュエーションコメディで、音声のみのラジオドラマ、ということで、内容理解への
道のりは長く、壁も多い。。。それでもその俳優さんが好きという一心で聞いているこの私の乙女ぶり・・・!
そこまで聞き込んでいるのならば、英語学習にも活かしたいなぁ、というのが本心で、そのへん意識した
今現在の活用法が以下のとおり。


 ① 予備知識も何もない状態でとにかく聞く。意味分からないところ多数で観客の笑い声に置いて
   いかれ、みじめな気持ちになるが、くじけずに聞き続ける。しぶとくしぶとく聞いていると、
   理解できる箇所が少しずつ増えてくる。

 ② 大筋が理解できたら、英文スクリプト(書き下し文)を読む(ネットで探せば見つかる)
   さすがに読むと一気に理解度が増す。聞き落としていた情報がいっぱいすぎて、それはそれで
   凹むけどまぁ仕方ない。この時点では辞書とかはそんなに使わず、前後からの文脈理解が大半。
   読んでから聞くと観客と一緒になって笑える箇所が格段に増えてる。
   自分の英語力がReading>Listeningになってしまったことを痛感(学生時代は逆だったのに・・・)

 ③ ここからはオプションで、英文スクリプトを元に日本語を組み立てる=翻訳に挑戦してみる。
    聞いて・読んで自分の中だけで理解するのとは違って、新たに日本語を立ち上げるというのは
    思っている以上に難しく、でも面白い作業。英語力はもちろん、日本語力が問われること多数。
    ここでは辞書とネットをフル活用。


今現在こんな感じで、相当な亀ペースで聞く・読む・翻訳、という3ステップを進めている。
一粒で三度美味しい♪満足度は高い楽しみ方(笑)


さて、タイトルにある「翻訳」、上記ステップ③のとおりなんだけど、そこでの難しさについて
以下ずらずらと書いてみる。


 【登場人物の一人称や二人称や言葉遣い】
これはもう日本語翻訳の宿命っていうか、基本的に英語じゃすべて"I"やら"you"やらなので。
「僕」なのか「私」なのか、「あなた」なのか「君」なのか、「~だよ」なのか「~です」なのか。
自分の中で動き出してるキャラクターに合わせて書いてみるものの、やっぱりシーンによって
「あれれ?」ってなるとこもあるし、聞き手によっても受ける印象が違ってくるので、万人に同意
してもらえる表現となると。日本語の多彩さに翻弄されるね。


 【ラジオの中の笑いのタイミングにどう合わせるか】
シチュエーションコメディで公開録音なので、スタジオ観客席からの笑い声が一緒に録音
されている。意味が分からないときはそれを聞きながら「あーここ笑うとこなんや・・・凹」って
なってた。翻訳作業を行うにあたり、どうせなら「聞きながら読んで一緒に笑えるようにしたい」
という無謀なハードルを作ったんだけど、そこのタイミングあわせが思いの外困難。
なんせ英語と日本語では文法が違う=語順が違うので、そのまま訳すとオチが冒頭に来る
なんてことも多数。これはひどい・・・。

 例: (副操縦士の機内アナウンス)
  I should perhaps explain that Captain Crieff and I have a sportsman-like
  little bet on today about who can fly the best after drinking a litre of Vodka
  through a straw.

そのまま訳すと、
  
  ここで皆様にお知らせします。機長のクリーフと私は、本日ちょっとした賭けをしております。
  1Lのウォッカをストローで飲んだ後に上手に飛行できるのはどちらか。

みたいな感じか。この時点で"sprtsman-like=正々堂々とした、潔い"がすでに訳せてないけど、
それはさておき(汗)、問題は賭けの内容を説明する部分。日本語だと拙訳のとおり飲酒が先に
来てしまう。だけど英語だと逆で、スタジオの笑いは台詞の最後で発生、オチとしてもそのほうが
面白い(ストローを通して、とか、ねぇ)んで、苦肉の策で考えたのが、

   ここで皆様にお知らせします。機長のクリーフと私は、本日ちょっとした賭けをしております。
   どちらがよりうまく飛行できるのか。条件として、離陸前に1Lのウォッカをストローで飲んでおります。

原文にはない「条件」なんて言葉を勝手に足して、無理矢理オチを最後に。
これは正解なのかどうかは分かんないし、こういうやり方が果たして「翻訳」としてOKなのかも不明
だけど、自分で楽しむ分にはいいかなぁと。


 【英語ならではの言い回しや文化的背景などをどう日本語に変換するか】
これがねぇ、一番難しい!どこまで日本語化していいのか。個人的には英語ならではの言い回しは
すごく好きで、そのまま日本語にしたいタイプ。例えば"Who cares?"を「誰が気にするっていうの?」
って訳すとかね。人(辞書)によっては「誰も気にしないよ」になってることも多いけど。

これくらいならまだしも、目上の人に対して使う"Sir"とかね、非常に扱いに困る。
" Yes, I know that, sir." とかね、どうしろと。仕方ないから「はい、存じております、サー」。
文脈によっては省略可能なんだろうけど、そのとき訳してたストーリーは「なぜ君は私に対して
"sir"を使わないんだ」という下地があったので「サー」と入れざるを得なくて・・・ヘンな日本語・・・。

文化的背景、と書くと大袈裟だけど、要はサブカルとかの扱いです。例として、これは英国TVドラマ
でのワンシーンなんだけど、掴み合いで乱れたスーツを直しながらの男性の台詞で

  "Westwood." (実際の台詞)
  「高級品だ」   (日本語吹き替え)

Westwood=Vivienne Westwood、って書いたら日本でもピンと来るよね、あのヴィヴィアン。
日本における知名度とかイメージとか考えると、男性スーツを指して使うのはやはり難しいか。
そこで代わりに「高級品」とな。なるほどー、と感心したのでした。

翻訳チャレンジしてるラジオドラマの中だと、機長と副機長がゲームをしてて、そのゲームが
"Brians of Britain"、イギリス国内における「ブライアン」という名前の有名人を挙げていくゲーム。
このシーン、複数名のブライアンが登場するんだけど、もちろん全然知らない人ばかりで、
日本人が聞いてもおもしろくないっていう・・・(唯一Brian Mayだけ分かった、Queenのギタリスト)
こういうのはもうどうしようもないのでそのまま訳すしかないわな。
(日本の太郎ゲームにするか?岡本!山本!桃!みたいな)(あかん)

他にも、それは知ってて当然でしょ的な、いわゆる常識を絡めた台詞が難しい。
横暴な機長(=Captain)を揶揄しての副操縦士の台詞、

  "Captain Bligh flies again."
  「キャプテン・ブライの再来だ」

キャプテン・ブライって誰だ?と思って調べてみたら、Captain Bligh=William Blighで
英国海軍の士官、キャプテンはキャプテンでも機長じゃなくて艦長。
彼は1789年に発生した「バウンティ号の反乱」のときにそのバウンティ号の艦長をしていて、
一説にはブライ艦長が独善的な暴君であったことが反乱の原因と言われている。

つまり、横暴な機長をキャプテンつながりで同じく横暴かつそれが原因で反乱まで起きたブライ艦長に
引っ掛けてからかっているシーン、ということで。。。全容を知って思わず白目。
こんなん調べだしたらキリないがな・・・。でもこれはイギリスでは周知の事実なんだろうなぁ。
日本で明智光秀や大石内蔵助やらの名前を出すような感じか。


翻訳者さんの苦労をしみじみかみ締めている今日この頃。でも咀嚼する過程はすごく楽しい。
もはや英語ではなく英国文化の勉強になってる部分も多々あるけど(笑)
そして改めて思うのが、やっぱり日本語の勉強しなきゃ、ということ。語彙と表現の貧困さが泣ける。
英語も大事やけど、やっぱ土台は日本語やな。読書せな。。。
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by sexual-apple | 2013-03-24 13:30 | 呟いてみる


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