2012年 03月 18日

お気に入り翻訳 その2

" You would not call me a marrying man, Watson? "
" No, indeed! "
" You'll be interested to hear that I'm engaged. "
" My dear fellow! I congrat-- "
" To Milverton's housmaid. "
" Good heavens, Holmes! "
" I wanted information, Watson. "
" Surely you have gone too far? "
" It was a most necessary step. I am a plumber with a
  rising business, Escott, by name. I have walked out
  with her each evening, and I have talked with her.
  Good heavens, those talkes! However, I have got
  all I wanted. I know Milverton's house as I know the
  palm of my hand. "
" But the girl, Holmes? "

He shrugged his shoulders.

" You can't help it, my dear Watson. You must play your
  cards as best you can when such a stake on the table.
  However, I rejoice to say that I have a hated rival, who
  will certainly cut me out the instant that my back is turned. "

* * * * *

「君は僕のことを、結婚したがっているとは思わないだろうね、ワトスン君?」
「思わないとも!」
「その僕に婚約ができたと聞いたら、びっくりするだろうね?」
「えッ!そいつはおめで…」
「相手はミルヴァートン家の女中さ」
「おやおや、なんだってまた…」
「聞きこみがほしかったんだよ」
「それにしても、婚約とはちと深入りしすぎたよ」
「止むをえない措置だったんだ。まず景気のいい鉛管工になったのさ。
 名まえはエスコットというんだ。毎晩彼女を散歩につれだしてね、
 のべつおしゃべりをしたものさ。うっふ、べちゃくちゃ、べちゃくちゃだ!
 だがおかげで、知りたかったことはみんなわかった。ミルヴァートンの
 家のなかは、まるで自分の手のひらをさすほど詳しく知っている」
「だってその娘がかわいそうじゃないか」
「しかたがなかったんだ」 ホームズは首をちぢめて、
「場にこんないい札の出ているときは、全力をつくして札を打たなきゃならない。
 だが僕としては、ちょっとでもすきを見せたが最後、かならず切りつけてくる
 ような手ごわい相手を持っているかと思うと本望だよ


新潮文庫「シャーロック・ホームズの帰還」より「犯人は二人」 延原謙訳

* * * * *

下線部について、ずっと何の疑問もなくこの訳で読んでたけど、たまたま見かけた
翻訳サイトさんで新解釈を発見したので以下拙訳。

 「しかし幸いなことに僕には憎むべきライバルがいて、僕が彼女に背中を向ける
  と同時に割り込んでくるに違いないんだ」

なーるーほーどー。かわいそうなメイドさんのためにはむしろこっち希望。
" cut me out "で果たしてそういう意味になり得るのかは別にして。
「取り除く」みたいな意味にはできるんかな。

こうして比較してみると、いろいろおもしろいな。
今回取り上げた部分で延原謙GJと思ったのは、

 " Good heavens, those talkes! "
 「うっふ、べちゃくちゃ、べちゃくちゃだ!」

これは思いつかなかった。
私だったら「よくしゃべったもんだよ!」とかその程度。

あと、ここにはそんなに出てこないけど、日本語訳できないなぁと思うのが
 " my dear--- " " my fellow " "my boy "
このへん。相手への呼びかけで使ってるけど、どうしたらいいんかね。
翻訳って難しい。

まま、だからこそ訳者さんによって違いがあって、その分何度も楽しめるっていうね。
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by sexual-apple | 2012-03-18 02:26 | マニアック


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