セクハラ☆りんご

bushbear.exblog.jp
ブログトップ
2012年 03月 11日

お気に入り翻訳

新潮文庫「シャーロック・ホームズの冒険」の「ボヘミアの醜聞」から、
ボヘミア王とホームズの会話。訳者は延原謙。


" Was there a secret marriage? "
" None. "
" No legal papers or certificates? "
" None. "
" Then I fail to follow your Majesty. If this young person should
  produce her letters for blackmailng or other purposes,
  how is she to prove theire authenticity? "
" There is the writing. "
" Pooh, pooh! Forgery. "
" My private note-paper. "
" Stolen. "
" My own seal. "
" Imitated. "
" My photograph. "
" Bought. "
" We were both in the photograph. "
" Oh, dear! That is very bad! Your Majesty has indeed comitted
  an indiscretion. "

* * * * *

「秘密に結婚でもあそばしましたか?」
「そんなことはしておらぬ」
「法律上有効な書類とか、あるいは証書のごときものをお遣わしでございましたか?」
「そのようなものは与えぬ」
「しからばお言葉を解しかねます。たとえばこの若い人物が、手紙の類を強請(ゆすり)
 その他の目的でもちだすといたしまして、彼女はどうしてそれが偽物ではないと証明
 できましょう?」
「手跡というものは争えぬ」
「そんなことが!偽筆だと仰せられませ」
「専用の料紙が用いてある」
「ご料紙は盗まれることもございます」
「余の封印が用いてある」
「偽造することができます」
「余の写真が遣わしてある」
「お写真は買うこともできます」
「二人で撮った写真だ」
「おう、それはたいへんいけません。陛下はご軽率をあそばしました」

* * * * *

このシーンはこの翻訳が一番好き。
会話のテンポに加えて、ホームズの古風な(?)敬語表現がうまいなー、と。
延原謙訳は昔っぽい言い回しとか多くて、人によっては取っ付き難いかもやけど、
個人的にはそれがいかにも19世紀末って感じで好きなのです。
やたら現代語なのよりも、セピアな色合いの言葉で読みたい。
[PR]

by sexual-apple | 2012-03-11 22:53 | マニアック


<< お気に入り翻訳 その2      1月・2月に読んだ本 >>